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APO、記者会見にて発表 新刊『APO Productivity Databook 2014』 アプリ『APO Mobile Productivity Database』2014/10/23

databook_2014

アジア生産性機構(APO)は2014年10月17日、慶應義塾大学で行った記者会見にて新刊「APO Productivity Databook 2014」(英語版)を発表いたしました。

慶應義塾大学産業研究所(KEO)との共同研究のもと発行されている本書は、アジア諸国の生産性を包括的に分析し、当該地域の経済成長や生産性水準を長期的な視点(時系列データ:1970–2012年)から、世界・地域経済と関連づけて比較分析しています。

SG-press conference 2014記者会見で挨拶する天野万利・APO事務局長

アジア諸国を包括した労働生産性、全要素生産性の国際比較分析は稀少であり、地域経済の動向を理解するうえで非常に有用です。また、本書では、アジア29ヶ国・地域(20のAPO加盟国・地域および9の非加盟国)に加え、参考として米国、ヨーロッパ、オーストラリア、トルコも比較分析の対象としています。

会見で天野万利・APO事務局長は「現時点ではアジアにおける経済統計ストックは大変乏しい状況で、生産性分析には多くの課題がある。これを考えると、これらの課題に取り組んできた結果、『APO Productivity Databook』としてアジアにおける生産性分析を本日皆様にご紹介させていただけることを大変喜ばしく思う。」と出席者に挨拶しました。

APO Productivity Databookプロジェクト・チーフエキスパートである慶應義塾大学産業研究所の野村浩二准教授は、会見で下記ハイライトを紹介しました。

  • アジア経済圏の規模の改訂:米国との比較とその背景にある新しい購買力平価
  • アジア諸国における価格水準指数の改訂
  • アジア諸国における1970年からの長期労働生産性上昇(2000年代に飛躍)とその源泉
  • 現時点のアジア各国の労働生産性ギャップ(日本の長期推移との比較)
  • アジアとOECD諸国の経済成長の源泉(資本投入、全要素生産性、労働生産性など)
  • アジア諸国の全要素生産性の成長と製造業の役割(特に2000年以降
  • エネルギー生産性:生産、エネルギー消費及び温室効果ガス排出の分析

更に野村准教授は、以下3分野の予測を述べました。

  • アジア経済の実質GDPは次の20年間(すなわち2012-2020年および2020-2030年)も成長を続けるが、その成長率は2005-2012年の6.4%から若干低下して2012–2020年には6.2%となり、2020–2030年には5%まで低下する。これは主に中国の経済成長率の鈍化によるものだが、その一方でパキスタン、フィリピン、イランの経済は2012–2020年、2020–2030年に加速的に成長する見込み。
  • アジアの労働者数は2020年までに1.7億人ほど増加すると思われる。インドはこの増加人数の42%を占め、インドネシアが10%、パキスタンが7.5%で続く見込み。2030年には、アジアの労働者数は現在より3.4億人の増加が見込まれる。
  • 労働生産性(ALP)の成長率については、次の20年間も堅調に推移するものと思われる。アジアの年間ALP成長率は、2005-2012年は5.3%だったのに対し、2012–2020年に5.1%となり、2020–2030年には4.1%へと鈍化する恐れはあるものの、ASEANは2020–2030年にもALPの健全な成長を維持する見込み。
Dr. Nomura-press_conference『APO Productivity Databook 2014』のハイライトを紹介する野村浩二准教授

また、スマートフォン用アプリである『APO Mobile Productivity Database』(下記アイコン参照)も会見中に発表されました。このアプリには生産性に関連する95の経済指標が含まれています。APO加盟国およびその他のアジア非加盟諸国やその他の参照諸国・地域の経済統計データに基づき、当該国・地域の経済動向を図表によって簡単に閲覧できます。

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本アプリ内のデータは主に、APOと慶應義塾大学産業研究所とが共同で行っている調査研究プロジェクトにおいて、対象国の国民経済計算に基づき、概念整理と統一を図りながら構築したものです。各指標は生産性、経済成長、労働投入、資本投入、最終需要、所得、人口、価格、エネルギー、および企業といった10のグループに分類されています。各指標のフィールドにアクセスすると時系列表が表示され、指標ごとにデータ動向を表す図表や変数の定義の情報も提供されています。

Overview-press_conference記者会見の様子
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