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第26回APOトップマネージメントフォーラム APO加盟国における環境配慮型経営戦略を検討2010/02/22

「持続的な生産性向上のための環境経営」
2010年2月22日~24日
実施場所:京都
協力:経済産業省・(財)日本生産性本部・(財)関西生産性本部

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フォーラムの講演聴講後、自国の環境配慮型経営戦略について検討する参加者

APOは2月22日から24日、第26回APOトップマネージメントフォーラムを開催しました。1985年以来、APO加盟国の経営者、労働組合リーダー、政府幹部の生産性向上への理解と支援の促進を目的に毎年京都で開催している「APOトップマネージメントフォーラム」。日本を含むアジア諸国においても経済不況から脱却するため環境・エネルギー政策と景気・雇用対策を柱とする「グリーンニューディール」が提起されていることを受け、本フォーラムは「持続的な生産性向上のための環境経営」のテーマを取り上げました。本フォーラムには加盟国17カ国から32名の企業リーダーや政府・生産性本部の幹部が参加し、環境経営を取り巻く最新動向、日本企業の先進的な経営戦略を学び、APO加盟国における今後の環境配慮型経営戦略について検討しました。

同フォーラムで開会の辞を述べたAPO事務総長・竹中繁雄は1994年以来APOが提唱している「緑の生産性」とは「生産性向上は環境保全と両立できる」という考え方であると説明。3月4日からジャカルタで開催される第6回エコプロダクツ国際展(主催:APO、インドネシア商工会議所、インドネシア生産性本部)について触れ、同展示会をこれまで支援・協力しているAPO緑の生産性諮問委員会(GPAC)から同フォーラムに講演者として招いた GPAC会長兼第6回エコプロダクツ国際展準備委員会委員長を務める北山禎介・(株)三井住友銀行取締役会長、GPAC副会長である山本良一・東京大学教授および谷口恒明・日本生産性本部理事長のGPAC役員3人を紹介しました(竹中の開会式挨拶文はこちら<英文>)。

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山本良一・東京大学教授

山本教授は「地球温暖化に向けて―企業に求められる環境経営―」と題した初日講演で、二酸化炭素排出量の増加による地球温暖化進行の科学的裏づけとなる資料を紹介しました。また、フォーラム参加者に地球温暖化問題の深刻さを訴え、環境技術を発展させるためには革命的な環境政策が必要と主張しました。

次に村田有・経済産業省・産業技術環境局・環境政策課・環境調和産業推進室室長が登壇。日本政府の取り組みとして「新成長経済戦略」とCO2「見える化」の取り組みの1つであるカーボンフットプリント(CFP)を紹介しました。

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伊奈憲正・日本モザイクタイル株式会社代表取締役社長

続いて第7回環境経営部門環境経営優秀賞を受賞した伊奈憲正・日本モザイクタイル株式会社代表取締役社長は「たのしいエコでうれしいタイルを」をキーワードに社員全員が楽しみながらムダ削減、品質向上、職場環境の向上につながるエコ活動を行っていると述べ、同社の取り組み事例として燃料使用の効率化とCO2削減を目的とした燃料転換や分別廃棄の徹底について紹介しました。

APOが招へいしたクン・モー・リー・亜州大学教授(韓国)は、消費者に提供する製品・デザインが直接または間接的に環境負荷を削減しつつ、従来のビジネス以上の利益を上げることのできる新しいビジネスモデルを提唱。そのようなビジネスが技術革命をもたらし、社会価値を上げると強調しました。

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GPAC会長を務める北山禎介・(株)三井住友銀行取締役会長

初日のプログラムを締めくくったのが北山氏による講演。北山氏は三井住友フィナンシャルグループの環境活動は単なる企業の社会的責任のためでなく、新たなビジネス創出に貢献するためのものだと説明。「環境ビジネス」「環境負荷軽減」「環境リスク対応」を同グループの環境活動における3つの柱の中から環境ビジネスについて言及し、2005年に設立し、地球環境の維持や改善に貢献できる商品やサービスの開発に向けて協議を行う「Eco-biz推進協議会」などを紹介しました。

2日目に行われた講演では、フォーラム参加者はGPAC参加企業である3社から各社の環境経営について学びました。まず、岩井恒彦・(株)資生堂執行役員・品質保証部長が「資生堂エコポリシー」、海外の工場での太陽電力発電設置、国内工場のCO2ゼロ排出達成などの例を挙げ、「美とエコをつなぐ新しいライフスタイル」実現を目指して世界規模・全社員規模で取り組む資生堂のエコ事業を紹介。続いて、斉藤典彦・東レ株式会社専務取締役が同社が持続可能な低炭素社会の実現に向け、エコを総合的にとらえて省資源・地球環境保護に先進的に取り組む「エコチャレンジ」プロジェクトについて説明しました。また、東レが2000年に制定した環境10原則において、地球の温暖化防止、より安全な化学物質の採用、環境情報の社会との共有など多角的な取り組みの実践例を挙げました。最後に岡原邦明・パナソニック株式会社環境本部長は、生産活動におけるCO2削減だけでなくすべての活動において「一歩先のエコ」を目指し、「商品のエコアイデア」「モノづくりのエコアイデア」「ひろげるエコアイデア」の3つに重点を置いた「エコアイデア戦略」について紹介しました。

3日目は2008年に開催された第3回3R推進全国大会において平成20年度循環型社会形成推進功労者として環境大臣より表彰を受け、2009年京都府の「エコ京都21マイスター」に認定された日立マクセル株式会社・京都事業所を視察。同社の廃棄物の分類やリサイクル方法を見学しました。

APOは毎年トップマネージメントフォーラムの講演記録(英語)を出版しています。「持続的な生産性向上のための環境経営」をテーマにした第26回トップマネジメントフォーラムの講演記録は2010年中に出版予定です。

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