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APO環境開発サミットに公式参加2002/06/15

APOは南アフリカ・ヨハネスブルグで8月26日から9月4日まで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境開発サミット)に、政府間国際機関(IGO)として公式参加した。1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットでの決議を受け、94年以来、独自に実施してきた「緑の生産性(Green Productivity =GP)」のこれまでの成果を発表、今後の方針を表明した。

本会議及びサイドイベント

本会議は、8月26日午前より開始。デサイ・サミット事務局長の開会宣言に続いてムベキ・南アフリカ大統領がサミット議長として開会演説を行い、さらにサミット事務局長及びトッファー国連環境計画(UNEP)事務局長の開会あいさつがあった。その後議題の採択、政府間国際機関の資格承認などの手続き事項が続き、全体会議及び委員会に分かれた討議が開始された。

他方、本会議と併行し各国政府、国際機関、NGOなどによるサイドイベントとよばれる数多くの行事が本会議場とは別のふたつの会議場で開催された。APOは他の機関と共催で三つのサイドイベントを開催した(下表参照)。サミットには田島高志APO事務総長、オーガステイン・コー環境部長、マンダル・パラスニス環境企画官からなるAPO代表団が出席した。

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環境開発サミットに参加したAPO代表団。左からマンダル・パラスニス環境企画官、オーガステイン・コー環境部長、田島高志APO事務総長。右端はハン・ベトナム生産性本部理事長代行。

APOの参加意義

APOが、政府間国際機関(IGO)として国連主催の世界的会議に正式な参加資格を得て出席したのは初めてであり、この機会にAPO紹介の文書を国連事務局に提出し、参加者に配布したこと、また、三つのサイドイベントの開催を通じ、APOが持続的発展に寄与して実績を世界に示すことができ、APOが国際社会における新たな認知と地位を得る機会となった。

特に、三つのサイドイベントについては、アジア開発銀行(ADB)やUNEPなど主要な国際機関と共催することにより、充実した内容のイベントを実施できた。他方このことは、APOがパートナーシップ・イニシャティブの実現と実施について、国際社会に対し新たな義務と責任を負ったこということでもあり、今後これらの国際機関及び各APO加盟国との協力体制を一層強化して行く必要がある。

今回のAPOの環境開発サミット参加に当っては、日本外務省、現地日本大使館、インドネシア環境省(特にサミット準備会議副議長を務めたリアナ・ブラタシダ副大臣)、ベトナム政府、ADB及びUNEPを初めAPO加盟国政府、関係国際機関などから多大な協力を得た。この機会に改めてAPOに対する支持に感謝の意を表したい。

APOが環境サミットで開いたイベント

① 8月28日

セミナー「地域社会総合開発と貧困撲滅のためのGPアプローチ」
APO、ベトナム生産性センター(VPC)共催
会場 日本パビリオン

このセミナーでは、ベトナムで実施された「緑の生産性」と農村開発を目的とする「地域社会総合開発(ICD)」を統合したプロジェクトの成功例を紹介。このプロジェクトでは、例えば排泄物と家畜糞尿からバイオガスを集め、それを家庭用のコンロの燃料に使用し、残滓固形物は有機肥料に使用。また、家庭の生ごみも有機肥料に使用した。その結果、自然保護、衛生状態の向上、燃料費の節約、作物栽培の拡大などによる生活水準の向上がもたらされた。1998年に2カ村で開始されたこのプロジェクトは、現在は72カ村で実施されている。 参加者との質疑応答の後、これをアジア太平洋地域に拡大するパートナーシップが提案された。

セミナーへは、アジア、アフリカ、南米各地出身者35名以上が出席し、参加者からは自分の国でも実施して欲しい、採用したいという声が聞かれた。出席した日本人学生は「このようなプロジェクトにはODAが使われる真の価値がある」と発言していた。

② 8月29日

ラウンドテーブル会合「対アジア持続的開発投資のためのグローバルネットワーク」
APO、RIET(シンガポール・環境技術地域研究所)、EPE(欧州環境パートナーズ)、UNEP(国連環境計画)共催
会場 セナターホテル・シーザーズ

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アジアへの投資と持続的開発を考える会合に出席した田島APO事務総長(写真中央)

この会合は、リオの地球サミットで決議されたアジェンダ21、国連ミレニアム宣言、今回の地球サミット行動計画の実行に貢献するための“SIGN 2 -Asia”と呼ばれるパートナーシップ構築準備のための意見交換会であった。(“SIGN 2 -Asia”は「Sustainable Investment-Global Network for Asia」の略、2は開発の基本的な2要素――経済的繁栄、社会的平等、環境保全――を表す)

EPEからRIETを通じて提案があったこのパートナーシップの構想は、今後欧州資本などの各国資本がアジアに投資する際、それが持続可能な開発に結びつく投資(sustainable investment)となり、投資家とアジア諸国双方の利益に適う方策を検討するものであった。

出席者は、共催者側からAPO3名、RIET1名、EPE2名、UNEP1名に加え、ベトナム1名、インドネシア1名(リアナ・ブラタシダ環境副大臣)、香港1名、フランス2名(環境省顧問、トタール社)、イタリア1名(ダウ・ヨーロッパ社)合計14名であった。このイベントの協賛者にはアジア太平洋開発センター(APDC)、DANIDA(デンマーク国際開発援助)、EC、仏環境省などが加わっていた。

③ 8月30日

シンポジウム「水資源保護と管理のためのクリーンプロダクションと緑の生産性」
APO、ADB(アジア開発銀行)、UNEP共催 
会場 ウォータードーム

このシンポジウムは、水問題が食糧問題と並び、世界的な大問題となっていることを踏まえ、APO、ADB、UNEPが取り組んでいる水資源の保護・管理に関する事業を説明するものであった。

APOは、水関連の事業として、シンガポールの精密機器工場で排水と廃油をリサイクル化した事例、インドの大豆油製造工場で触媒薬品と洗浄水を節約し大豆油製造効率を大幅に向上させた事例などを紹介した。

会場が本会議場より遠く離れたところであったため、出席者の数が心配されたが、25名程の出席者があり、ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)のキム・ハクスー事務局長やUNEPのジャクリーン・アロワジ・ドゥラルデレル技術・産業・経済局長も出席し、盛んな意見交換が行われた。

APOのGP戦略は、UNEPが進めてきたCP(クリーナープロダクション)とは異なる要素があると指摘されたこともあったが、今回のシンポジウムでADBの担当者が、いまやCPとGPの相異はないとの発言をしていた点が印象的であった。

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