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第58回理事会: APO加盟国、前進に向けた基盤固め2016/04/22

「APO加盟国・地域の我々はもっと親密になり、互いの力をすべて出し合って助け合うべきである。また、アジア太平洋地域の他の国々が生産性向上への階段を昇られるよう、支援すべきだ」2016年4月19日、インドネシア、ジャカルタにおける第58回理事会の開催にあたり、インドネシア国APO理事カイルル・アンワル(Khairul Anwar)・職業訓練・労働者生産性向上局局長が歓迎の挨拶で主張しました。

毎年開催される3日間の理事会には、19の加盟国・地域からAPO理事、理事代理、アドバイザーの45名が出席しました。また、アジア太平洋総合農村開発センター(CIRDAP)、国際労働機関(ILO)、経済協力開発機構(OECD)、汎アフリカ生産性協会(PAPA)、東南アジア農学教育・研究地域センター(SEARCA)、国際連合工業開発機関(UNIDO)の6つの協力団体からのオブザーバーも出席しました。

来賓として開会演説をおこなうハニフ・ダキリ・インドネシア政府労働力省大臣

来賓として開会演説をおこなうハニフ・ダキリ・インドネシア政府労働力省大臣

来賓として開会式に出席したハニフ・ダキリ(Hanif Dhakiri)・インドネシア政府労働力省大臣は、開会演説において、インドネシアがAPO理事会を開催できることは光栄で、この機会は「福祉の充実した先進国になるというインドネシア国民の夢の実現を加速するための励みとして大変貴重である」と述べました。また、高い生産性と競争力の実現はインドネシアの最重要課題に位置付けられているとし、「優れたガバナンス」、「技術工学とイノベーション」、「人材能力の向上」、「生産性文化の醸成」の4つがこの国の生産性向上にとって重要な戦略要因であると述べました。さらには、「私たちがこれまでにしてきたこと、また将来行うことが、インドネシアをさらに生産性の高い、競争力のある、豊かな国にするものであることを願っている」と、生産性向上に向けた国および地方の取り組みの加速に期待をこめました。

2015-2016年のAPO議長、パキスタン国APO理事代理シャフカット・ウル・レマン・ランジャ(Shafqut-ur-Rehman Ranjha)・産業・生産省次官補は、開会の挨拶で、長期的な経済成長をめざす生産性向上の取り組みにおけるAPOの重要性を改めて強調し、「アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄のためには、地域統合を一層拡大する必要がある」と指摘しました。そしてAPO議長の座をフィリピン国APO理事に引き渡し、今後課題に立ち向かう新議長と事務局長を全加盟国・地域が全面的に支援するよう要請しました。

 2016-2017年のAPO議長および副議長:(写真左から)ジナシリ・ダダラジ・APO第二副議長、チュー・モクリー・APO第一副議長、マルガリータ・R・ソンコ・APO議長、天野万利・APO事務局長


2016-2017年のAPO議長および副議長:(写真左から)ジナシリ・ダダラジ・APO第二副議長、チュー・モクリー・APO第一副議長、マルガリータ・R・ソンコ・APO議長、天野万利・APO事務局長

APO議長と副議長はAPO加盟国・地域が一年ごとに持ち回りで担当します。理事会で選出された議長・副議長はその後12か月にわたり、審議や意思決定において理事会の指揮を執ります。本理事会の最初の議題として、フィリピン国APO理事マルガリータ・R・ソンコ(Margarita R. Songco)・経済開発局参事官を2016-2017年度の議長に、議長を補佐する第一副議長にはシンガポール国APO理事のチュー・モクリー(Chew Mok Lee)SPRINGシンガポール(規格生産性革新庁)能力・パートナーシップ担当副長官が、第二副議長にはスリランカ国APO理事ジナシリ・ダダラジ(Jinasiri Dadallage)行政管理庁長官が任命されました。

天野万利・APO事務局長は、前年のAPOの活動と業績について理事会に報告するとともに、来年以降のAPO加盟国・地域の活動予定について説明しました。事務局長は、APOが設立された55年前、世界の状況は今日とは大きく異なっていたと述べ、時を経て様々な変化があったにもかかわらず、「経済発展のレベルを問わず、どの加盟国・地域でもいまだに一番大きな課題となっているのは労働者の生産性の向上であり、世界が変化しても同じ課題が続いている」と指摘しました。また、APO加盟国・地域の長期的な経済発展と繁栄のためには、持続可能な生産性を実現することが根本的に必要であると強調しました。

新APO議長のもと、本理事会では様々な重要議題の検討および審議、決定が行れ、2015年の財務報告、理事会に提出された第56回NPO代表者ワークショップ会議の報告書、2017-2018年の2年間のAPO暫定予算が承認されました。また、APO理事たちはAPOビジョン2020を実現するためのロードマップ案を検討し、承認しました。これは中期的な戦略的枠組みとして、生産性向上に関わる先導的な国際機関をめざすAPOのビジョンの実現とともに、2020年までにAPO加盟国・地域経済の生産性と競争力の向上を実現させるためのAPOプログラムやプロジェクトを計画、実行するにあたり指針となるものです。さらに、生産性向上に関連する様々なテーマの自己学習式のEラーニングから成るAPOデジタルラーニング・プログラムを今後5年にわたり拡充する案について審議のうえ、全会一致で承認しました。最後に、本理事会はタイ国政府から推薦を受けたサンティ・カノクタナポーン(Santhi Kanoktanaporn)博士を次期3年(2016年9月-2019年9月)の任期を務める事務局長として選任しました。

20日に行われた本会議では、イルハム・ディルミ(Irham Dilmy)・インドネシア公務委員会副議長・委員を招き、「公共部門における変化:インドネシアにおける公務員の人材管理」と題する特別講演が行われ、人材開発と管理によって公共部門の効率性を向上させるインドネシアの取り組みが紹介されました。

また、理事会の恒例で、APO加盟国・地域の政策指令が提示され、本理事会では公共部門、緑の生産性(Green Productivity)、中小企業の分野における生産性向上をめざす行政の政策を中心として発表されました。APO理事たちは、生産性の成果があがらないことや不安定な金融市場などの要因を原因とする様々な経済の課題に対処する方法について、それぞれの意見や考えを共有しました。

APO理事会で議論するAPO加盟国代表者

APO理事会で議論するAPO加盟国代表者

三日目の21日には、理事会主催国が準備した視察として、東ジャカルタにあるタマン・ミニ・インドネシア・インダー(ビューティフル・インドネシア・ミニチュア・パーク)を訪問し、インドネシアの諸島や様々な地方のミニチュアを見て回りながら、改めてインドネシアの多様性と広さを学ぶことができました。

閉会にあたり、マルガリータ・R・ソンコAPO議長は、リソースが限られている加盟国のニーズに効果的に対応するためのAPOの一連の核となる価値を明確にするロードマップ案の承認や新事務局長の選任など、いくつかの重要な議題を決定できたことからも本理事会の成功は明らかであると述べました。「ITとソーシャル・メディアの発達により、様々な経済の構造改革やビジネス・モデルは急速に変化しており、目下APOはグローバル化が進み、変化が激しくなった環境の中で活動している」と議長は述べ、APOが自らの体制や、方法、サービスなどを改革し、一層活力に満ちた組織となり、時代に合ったプログラムや活動を提供していくことを期待すると語りました。

ソムディ・インミクサイ(Somdy Inmyxai)・ラオス国APO理事は、全APO理事・関係者を代表して本会議の開催国インドネシア政府に謝意を表明し、特にカイルル・アンワル・インドネシア国APO理事の統率力やNPOインドネシアのスタッフ全員の多大な尽力のおかけで、入念な準備と着実な進行ができたことについて感謝の意を述べました。

天野万利・APO事務局長は、閉会の挨拶の中で、本会議に出席したオブザーバーの出席のおかげで相互互恵分野での一層緊密な協力を期待できると評価し、謝意を表明しました。またAPO理事に対し、APOロードマップの採択、デジタルラーニング・プログラムの拡充、2017-2018年の2年間APO暫定予算の承認について感謝しました。さらに事務局長の任期中、APO活性化のための取り組みを支持してきた理事会に改めて感謝の意を表し、イラン・イスラム共和国APO理事ロヤ・タバータバーイー・ヤジディ(Roya Tanatabaei Yazdi)博士に、イランが2017年の次期理事会の開催国として受け入れた事に対し、謝辞を述べて閉会となりました。

APO 58th

(写真提供:インドネシア生産性本部)

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