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持続可能な生産性の時代に備える2018/01/19

2018年 サンティ・カノクタナポーンAPO事務局長 新年挨拶

SG Santhi_Sustainable Productivity人生は後ろ向きにしか理解できないが、前向きにしか生きられない―デジタルエコノミーがこれまでになく急速に進展する中、この名言はかつてないほど未来への示唆に富んでいます。過去の成功や失敗の原因を分析するのは容易ですが、人や組織にとってより重要なのは将来の機会や脅威を予想し未来に備えることです。これは、APO加盟国の生産性本部(NPO)や他のステークホルダーとの連携強化とともに、事務局が昨年直面した大きな課題の一つでした。

この課題に対処するため、事務局は昨年、より精力的に加盟国と関わることで加盟国のニーズや期待に応えるとともに、破壊的な技術革新による社会・経済の急速な変化に加盟国が柔軟に対応できるよう、将来の発展に繋がる最新技術の活用を目指す「スマート・イニシアチブ」の推進を図りました。また、社会・経済の動向変化をすばやく把握し将来に的確に備えるため、APO Future Team(APO フューチャー・チーム)を設置しました。同チームは外部専門家の協力を得つつ、AIを活用したオンラインツールを駆使して、私たちを取り巻く様々な要因(STEEP:Social(社会)、Technology(技術)、Economy (経済)、Environment(環境)、Policy(政治))の最新動向を分析し、事務局や加盟国が将来に戦略的に対応できる能力の向上に努めました。

デジタル技術が仕事の場のみならず個人の生活環境をも大きく変革しつつある現在、旧来の経済・事業モデルを捨て、未来の創造に向けた新たな手法を確立する必要が高まっています。このためには戦略的に将来を見ることが必要であり、事務局では昨年7月にStrategic Planning Workshop (戦略的計画ワークショップ)を開催し、加盟国との意識共有を図りました。戦略的に将来を見ることにより、政府は先行き不透明な中で的確に舵を取り、不確実な未来に備えるとともに、自国にとってより望ましい未来へと導くことが可能になります。企業や組織は事業環境を自ら形成し、競争力を高めていけるでしょう。

今年、事務局はAPO Vision 2020(APOビジョン2020)の達成に向け、加盟国の経済成長にさらなるインパクトを与え、競争力強化と生産性向上を可能にする革新的な手法を確立することを目指しています。また、APOブランドの強化とグローバルパートナーとの連携などを通じて加盟国にとって最適な政策立案を支援するとともに、新たなビジネスモデルを実施する基盤となるデジタルプラットフォームの構築に取り組んでいきます。さらに、Webサイト上でセルフ・ラーニングコースを提供しているeAPOを本格的なMOOC(マッシブ・オンライン・オープンコース)を提供する場として再スタートさせます。

George Bernard Shawは「変革なくして進化はない。自らの思考や考え方を変えることができなければ、何も変えることはできない」と述べています。思考や考え方を変えることは望ましい変革実現のために必要不可欠であることから、事務局内の起業家精神を高めるとともに、プログラムの策定に際しデザイン思考と学際的アプローチを採ることとしています。また、米国、欧州、アジアの経済学者と共同し「持続可能な生産性」の測定方法を開発することにより、VUCA(Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧))な世界において、将来を踏まえ最適な生産性を実現するための枠組みを構築していきたいと考えています。これらは大変難しい課題ですが、加盟国とともにこれらに取り組むことにより、より良い未来を構築していけると確信しています。

最後になりますが、皆様にとって2018年が幸福かつ健康で、実り多き1年になることをお祈り申し上げます。

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