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APO、アフリカの生産性向上を主導する実務者を養成2018/04/05

APOは、日本政府の特別拠出金を受け、アフリカの生産性向上を目的として、現地で生産性向上を主導する実務者を養成する研修を実施しました。

アジア生産性機構(APO)は2018年3月5日から14日にかけ、ナミビア共和国ウィントフック市で、アフリカ諸国の生産性向上を主導する実務者や指導者を養成する研修を実施しました。この研修は「アフリカにおける産業人材育成:生産性実務者の養成を目指す研修コース(Industrial Human Resources Development for Africa: Training Course on Development of Advanced Productivity Practitioners)」であり、日本政府の特別拠出金を基に、ナミビア労働社会福祉省、汎アフリカ生産性協会(PAPA: Pan African Productivity Association)の協力を得て行いました。

研修の開会式には、ナミビア共和国労働・労使関係・雇用省からエルッキ・ヌギムティナ(Erkki Nghimtina)大臣とトミー・ナンバフ(Tommy Nambahu)副大臣に参加いただいたほか、石神留美子・在ナミビア日本国大使館次席、デイヴィッド・イゴンダ(David Iigonda)PAPA会長、Md. ザイヌリ・ジュリ(Md. Zainuri Juri)APO工業企画官が出席しました。

開会式でサーラ・クーゴンゲルワ・ナミビア共和国首相からのあいさつ文を読み上げるエルッキ・ヌギムティナ・ナミビア共和国労働・労使関係・雇用省大臣(2018年3月5日ナミビア共和国ウィントフック市)写真提供:ナミビア共和国労働・労使関係・雇用省

開会式でサーラ・クーゴンゲルワ・ナミビア共和国首相からの挨拶文を読み上げるエルッキ・ヌギムティナ・ナミビア共和国労働・労使関係・雇用省大臣(2018年3月5日ナミビア共和国ウィントフック市)写真提供:ナミビア共和国労働・労使関係・雇用省

ギムティナ大臣は、開会式でサーラ・クーゴンゲルワ(Saara Kuugongelwa)ナミビア共和国首相からの挨拶文を読み上げ、日本政府を始め、APO、PAPA、労働・労使関係・雇用省に謝意を表わしました。この中でクーゴンゲルワ首相は、本コースを「アフリカの生産性アジェンダ」に沿ってすべてのアフリカ諸国の生産性を向上することを目指すものであり、そのためには「あらゆるステークホルダーが協力して国民の生産性向上に向けた機運を高め、付加価値、生産性、アフリカの競争力を増進することが必要だ」と訴えました。その上で、PAPA加盟国における「アフリカの生産性アジェンダ」の促進と、アフリカの「アジェンダ2063」を始めとする包括的成長と持続可能な発展に向けたイニシアティブの推進に、本研修が大きく寄与するとの期待を表明しました。

10日間にわたる研修コースには9カ国のPAPA加盟国から28名が出席しました。本研修の主な目的は、PAPA加盟国の生産性本部(NPO)が自国の中小企業や公的部門の現場で指導できるようになるため、NPOの戦略策定能力の向上を図るとともに、生産性と品質向上に関する効果的な指導手法を開発・導入・利用することを支援することでした。このため、マレーシア、フィリピン、シンガポールの専門家が最新の技術動向を把握して将来的な生産性に関わる課題に対処する能力を備えるための講義を行うとともに、ディナパマ・マニュファクチャリング・アンド・サプライズ(Dinapama Manufacturing and Supplies)株式会社と、労働・労使関係・雇用省の業務や運営状態を視察し、公的および民間分野の生産性を向上するための解決策を実地に即した形で検討しました。

膨大な資源を擁するにもかかわらず、アフリカ諸国の多くは経済的ポテンシャルを完全に発揮するには至っておらず、全般的な生活水準の改善も道半ばにあります。アフリカ諸国のほとんどは現在も労働集約的な生産に依存しており、資本が十分に活用されず、生産性は伸び悩み、福祉の向上が遅れているのが現状です。こうした課題の克服には、生産性の低い農業分野から、より多くの資本や技術を活用する製造業への労働移転が一般的な戦略とされていますが、こうした産業政策の推進は、アフリカでは農業就労者が大規模な工場よりもサービス業や小規模な製造業へシフトする傾向が強いことから限界がありました。

生産性の高い人的資源を確保し、アフリカ諸国の産業化を支援するため、APOはPAPAと協力して2007年からアフリカでの研修活動を行っています。PAPA加盟国のNPO職員を対象とした今回の研修も生産性向上を推進する実務者養成の一環として行われており、こうした努力によって、依然不足しているとはいえ多くの生産性実務者が育成されつつあり、アフリカの現状が改善されていくことが期待されます。

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